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事件日誌:住所変更登記

住所変更登記

売買による所有権移転登記の依頼を受けました。登記記録によると、昭和53年に物件所在地の住所(杉並区)で登記を受けています。現在の住民票(石岡市)を取得したところ、前住所は台東区でした。台東区役所にて住民票の除票を取得したところ、前住所は土浦市でした。土浦市役所に住民票の除票を請求しましところ、前住所は又の台東区でした。これ以上の除票は保管期間経過により取得できませんでした。仲介会社の担当者によると、物件所在地の杉並区には居住したことがないと言っているとのことです。多分、節税のために物件購入の際に住所を杉並区に一度置き、その後すぐに居住地の台東区に戻したものと思われます。登記は形式審査のため、登記記録の「住所、氏名」の一致を以て「同一人」の認定をします。ですので、住所地が繋がらないと同一人の認定が出来なく登記が進まない事となってしまいます。この場合、「権利証」があれば、本人しか持っていないものなので、住所が繋がらなくても同一人の認定がされ登記が進みます。しかし、今回の場合仲介者の担当者からの連絡によると、「権利証」が紛失しているとのことです。さて困りました。従来の登記所の取扱ですと、こういう場合は、「不在籍、不在住証明」(その住所地にその氏名の人物がいないという証明書)を添付して、本人からの「同一人」である旨の「上申書」を添付して登記を進めていました。が最近、登記所はこの取扱を嫌う傾向があります。そこで「登記相談票」を登記所に出しました。回答は、「納税通知書」を添付して頂ければ、「不在籍、不在住証明」及び「上申書」の添付は不要です。とのことでした。なかなかに良い制度だと感心しております。確かに、固定資産税を納付していると言うことは物件の所有者であろうという推定が強く働きます。

住所変更登記自体は簡単ですが、これを見逃すと司法書士として致命的となります。所有権移転登記の前提登記としての住所変更登記ですので、住所変更登記を見落とす、あるいは住所変更登記が受理されないと、その後の所有権移転登記も受理されない扱いとなります。担保権の設定の登記があると目も当てられない事態となります。十分に注意が必要です。
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